【生活】火事が起きたら逃げられない?台湾住宅の危険度について書きました。
こんにちは、有馬次郎です。
ここ数日なにかと目に留まる雙連朝市の話題について。
Twitter上では、あまり他人に干渉したくないので、大抵のことは1〜2ツイート程度で済ませている私ですが、今回の朝市問題については人の命がかかっているとも取れるわけで、少し言葉多めで書いてしまいました。
ことの流れは台湾日常さんの下の記事で綺麗にまとめられていますので、是非読んでみてください。
で、このページでは何が書きたいかというと、台湾の住宅についてです。
火事になっても「本気出せば逃げれるっしょ。」と、軽くみてると死ぬのが台湾の住宅なんです。(軽くみてなくても死ぬ)
台湾の建物
台湾の建物の種類は色々ありますが、今回は雙連市場に近いタイプの住宅形式に絞って紹介したいと思います。
雙連市場に近い形式の住宅
雙連市場に近い形式の住宅は、古くて築40年以上あります。
その年代のタイプの住宅は、上の写真のような外壁がコンクリートやタイルで出来ていて、窓に鉄格子(鐵窗)があるのが特徴です。
大昔は鉄格子がなくても安全でしたが、治安の関係で鉄格子アリなのが現在は一般的で、窓も出窓のように鉄格子が備え付けられています。
この鉄格子以外に、日本と大きく違うところがもう一つあります。
それは、扉の数です。
上記写真のような形式の住宅は、1階に扉があり自宅は2重扉になっていることが多く、全部で3つの扉があります。
このような感じで、外側は必ず鉄扉でできています。
この形式の住宅の問題点
逃げられない
致命傷ですね。死にます。
なぜ逃げられないかというと、四方が鉄で囲われているからです。
防犯のために設置したはずの鉄格子が、火事になると牢獄化するんです。
実際に考えてみましょう。
火事になると、どこから逃げますか?扉から逃げますよね。
火が登ってきています。熱いです。
扉は熱いですか?熱いです。
扉を開けることができません。どうなりますか?
そうです。
死ぬんです。
一応、逃げ道はある
一応、この鉄格子には安全門という逃げ道をつけないといけないんですが、考えてみてください。
築40年前後の家に住んでいるのはどういう人かと…。
このタイプの家は賃貸もありますが、購入している人の方が多いです。
そうすると、約40年前に購入をした人と考えると、60〜80歳とも考えられます。
また、安全門は裏側から鍵をかけることができます。
防犯のために設置した鉄格子なので、もちろん鍵は施錠しますよね。
そして、火事になると冷静さを失い、鍵の場所さえ忘れてしまうという展開も待っているのです。
雙連朝市の周囲について
Twitterでこんな内容を見かけまして…。
みたらびっくりしちゃいましたよね。
思わず、いや、まって!!!
それは!
君たちが!
マンゴーばっか見てるから!!!
って思いましたよね。(そうとは限らないですけど。)
というか、中は住宅ですから。
住宅でも火事は起きます。
4時間に1回火災が起きる台湾
台灣平均每4小時發生一次火災,透天厝死亡率最高!怎麼預防?
內政部消防署の発表によると、台湾では平均して4時間に1度火災が発生するそうです。
そして、死亡事故をもたらす原因の一つに鉄格子が避難の妨げになっているということが、よく報道されています。
上の画像も外から水をかけるしか手立てがないような感じがします。
一刻も早く鎮火させることが大事なようですね。
雙連菜市場の周囲について
下の地図にある民生西路45巷(縦ライン)が、話題になっているエリアです。
拡大すると、おかゆ店、蔥花捲のお店、小吃店、鹹湯圓のお店、ベジタリアンのお店など沢山出てきます。
調べてみると、このエリアは公寓(アパート)がほとんどでした。
台湾のアパートの平均築年数は35年程(ソース)と言われ、この民生西路45巷を調べると、アパートで築年数を公開しているところが2箇所ありました。
35年〜42年くらいで、結構古いです。
日本では、建物自体は震災などがなければ100年持つと言われており、安全面などを考慮すると、築50年くらいでリフォームや修繕を行わないといけません。
グーグルマップでピンを落としてストリートビューをしてみると…
市場に入ると人が沢山います。
私は一度だけ一通り歩いたことがあるのですが、実際はこの倍くらい人がいました。
スクーターと移動式販売の人が鉢合わせすると移動が全くできない状態になったので、今の状態だと消防車は無理そうですね。
日本人…笑
そして小道を曲がると、奥はこんな感じになっています。
ガスボンベありますね。
家でも火事は起きるわけですが、飲食店が入っているとガスボンベの爆破事故もあるので、事故の確率は普通の住宅より高いと思われます。
そして、何らかの原因で火事になってしまうと…逃げ場が…という感じです。
市場と反対側の通路から入ってくることも考えてみましたが、スクーターのおじいさんをみると消防車は裏路地自体には入れないので、各ブロックの一番近い大通りに車を寄せるしかないみたいですね。
そうすると、やはり市場側にある建物は市場側からの救助が必要となります。
ちなみに住宅の中は…
私は、このエリアに住む人のお宅に訪問したことがあるのですが、中をリフォームしている人もいれば、そのままの人もいる感じでした。
私の知り合いの住居者宅は比較的新しい感じの内装でしたが、建物自体が古いので階段の手すりがゴム製でした。
ゴム製ということは、リフォームをしていない家の床はタイルやフローリングではなくゴムの可能性もあります。
そのゴムが塩化ビニール製だった場合、燃えると有毒ガスを発生させるので、死亡率も高くなります。
まとめ
ということで、今回は台湾の少し古いタイプの住宅を紹介しました。
あの市場はちょうど、駅の広場がひらけていて、カラフルなパラソルと赤い提灯、天気がいいと見える青空に、美味しそうな南国のフルーツ、そして、朝に行くと活気があって面白いんですよね。(多分)
でも、安全である権利は住んでいる人たちにあると、私は思っています。
部外者は暖かく見守るくらいがちょうどいいんじゃないですかね?
市場自体は無くならないので、新しくなった市場も見に行く価値があるかもしれません。
(住民曰く、近くの鹹湯圓がオススメらしいです。)
窓についている鉄格子は、日本の磨りガラスと同じで沢山の種類があり、デザインが可愛い物もあるので、鉄格子にも注目してみてください〜。
おしゃカワ鉄格子についてはこちらの記事もオススメです。
台湾カルチャーレポート | vol.5 レトロな鉄製の窓「鐵窗」
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